郊外にあった唯一のコンピュータショップは、典型的なアメリカ体型の白髪まじりの親父と、オタク臭いメガネを掛けたひょろっとした息子によって運営されていた…といっても、僕はあの二人が親子だと思った事はなかったのだが、お袋が交差点の角のガラス張りの小さいお店で、息子さんと二人でやっている~と誰かに話していたので、あの二人が親子なんだと認識していた。
その店はいわゆるホビイスト向けのパーソナルユース店で、オフィスユースについても引き受けるというような文言がどこかにあったか、誰かが話していたか、曖昧な記憶が、あるいは今の自分の想像により補完されるものの、僕の記憶に確かに残っているのは、カウンター横に設置されたデモマシンに映る色彩豊かな美しい大地、荘厳な吹き抜ける風と地の鼓動の響きだった、デモマシンでプレイされていたのはポピュラスのオリジナル版だった。こじんまりとした店の佇まい、客が何かを買おうとすれば、抱き合わせで物を買わせようとする卑しい店主、この世の中を層状のディヴィジョンで分けるとすれば、下から数えた方が遥かに早いこの粘土層を巨大な宝石箱のように思わせるほどにAmiga版Populousは輝いていたのだ。
Amiga版Populous